Subject  : 境界表現とCSG表現

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 境界表現とCSG表現
 ソリッドモデルを扱う代表的なデータ形式には、『境界表現』、『CSG表現』の2つが 知られています。

● 境界表現
『境界表現』は、B-rep(Boundary Representation)とも呼ばれ、 CSG表現と並ぶソリッドモデルを表現するための代表的なデータ形式です。まず、かたちは複数の面(平面・曲面)で作られていると考えます。面と面の境界線は稜線であり、稜線の端は頂点になります。この時、面や稜線の形状を方程式で表されるをデータとして格納します。

しかし、面・稜線の形状や、頂点の座標といった数値で表されたデータ(幾何要素情報)だけでは、サーフェスモデルにはなっても、ソリッドモデルになりません。そこで、どの面が接しているかといった境界線での接続関係(位相要素情報)をデータに持たせます。この接続関係の表を内部に持っているのが、境界表現の特色です。

● 『CSG表現』
『CSG表現』のCSGは、Constructive Solid Geometryの略です。境界表現と並ぶソリッドモデルを表現するための代表的なデータ形式です。

CSG表現では、かたちを複数の『基本立体』から作ります。基本立体(プリミティブ立体と呼ぶこともあります)とは、直方体、円柱、多角柱、球、錐体などのかたちを指します。

また、CSG表現では、『集合演算』というものが重要です。集合演算とは、和・差・積という種類があります。2つのかたちがあったとき、和演算では双方の領域を足しあわし、差演算では一方から他方を引き、積演算では双方の共通領域を求めます。

基本立体をこれらの集合演算で組み合わせることによって、目的のかたちを作るのがCSG表現です。この方法では、基本立体の種類、位置、大きさと、かたちを作成する過程での集合演算をツリー構造としてデータに記憶しています。(右上の図のような構造です。)集合演算は境界表現でも用いることができますが、CSG表現では、データの記述法として内部に組み込まれていることに特色があります。

データ構造は非常に簡単なものであり、やり直しのような操作の履歴変更が比較的容易です。しかし、基本立体のみで作成するため、局所的に自由変形をすることが難しいという欠点があります。
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