Subject   : 有機顔料

カテゴリー  : 学びの館 > 化学 


 有機顔料
有機化合物を成分とする顔料を有機顔料と呼称する。有機顔料はその化学構造から大きくアゾ顔料と多環顔料に類別されるのが普通であるが、色相によっても区分することもあり、不溶性色素とレーキ顔料に分類されることもある。 有機顔料は構造中に不飽和二重結合を有し、共鳴エネルギーを光から吸収して安定する。この特定吸収波長域が可視光域(380-780nm)の一部にあると、顔料を通過または結晶中で反射した光は、それ以外の波長で構成される色の着いた光となる。

主に、多環顔料(polycyclic pigment)、アゾ顔料の2種類がある。一般に、アゾ顔料は多環顔料に含めない。一般に、有機顔料は高分子化すると耐久性が高まるが、コストの上昇や分散性の低下などのデメリットを伴う。然るに、低分子であっても高い耐久性を有し、鮮明なものが研究される。

アゾ顔料の中心となる窒素同士の結合は、鮮明な化合物を生じるが、耐久性に難がある為に、耐久性の高い構造を組み込むなどして耐久性の高い顔料にする工夫が知られている。 顔料として使用出来る植物由来の藍や、マダーレーキに代表されるアントラキノンレーキ顔料のように、植物や動物から採取した染料をレーキ化した顔料もある。ただし、今日使われている有機顔料の多くは、石油由来の原料に石油化学的加工を重ねることによって製造したものである。無機顔料が鉱物の精製を経て、工業的に製造されることとは対照的である。

種類 コメント
多環顔料 顔料としての機能を有する縮合環化合物
アゾ顔料 窒素原子同士の二重結合を有する化合物であるアゾ化合物
レーキ顔料 水溶性を有する有色物質(染料)を電離させ、担体としての金属イオンと電気的に結合させたもの
蛍光顔料 主にフォトルミネセンスにより呈色する顔料



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