Subject   : 炭疽毒素(Anthrax Toxin)

カテゴリー  : 学びの館 > 生物学 


 炭疽毒素(Anthrax Toxin)
 炭疽毒素の構成要素。左:感染防御抗原(protective antigen、PDB:1acc)、中央:浮腫因子(edema factor、PDB:1k90)、右:致死因子(lethal factor、PDB:1jky) 炭疽(Anthrax)は一般によく知られた病気ではないにも関わらず、炭疽毒素(anthrax toxin)という言葉はよく知られている。ヒトにとって、炭疽の病気にかかるのは簡単ではない。なぜならヒトからヒトへは伝染せず、感染した動物あるいはその産物を通してかかるからである。だが最近になって、炭疽はバイオテロ(bioterrorism)による重大な脅威となる可能性が増してきた。これは効果的な兵器となりうるからである。なぜなら、何年にも渡って蓄積される堅い胞子(spore)を作り、吸入されると急速に致死的な感染を引き起こすからである。

<出典:Wikipedia>

 ● 炭疽菌
 炭疽は一般的なものより大きな細菌である「炭疽菌」(Bacillus anthracis)によって引き起こされる。皮膚や肺に胞子がとどまると、急速に増殖して3つの部分から成る毒素を作り出す。これらは致死性を最大限発揮できるよう設計されており、恐ろしく効果的である。毒素は、細胞を探し出す搬送機構(delivery mechanism)と細胞を素早く殺す毒性酵素(toxic enzyme)で構成される。炭疽毒素は1つの搬送分子を持っているが、これは炭疽ワクチン(anthrax vaccine)で用いられることから「感染防御抗原」(protective antigen、PDBエントリー 1acc)と呼ばれる。この分子は残り2つの部分である浮腫因子(edema factor、PDBエントリー 1k90)と致死因子(lethal factor、PDBエントリー 1jky)を搬送する。この2つの因子が細胞を攻撃する毒性をもたらす働きをする部分である。

 ⇒ PFT(膜孔形成毒素)

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