Subject   : コレステロール依存性細胞溶解素(CDC)

カテゴリー  : 学びの館 > 生物学 


 コレステロール依存性細胞溶解素(CDC)
 コレステロール依存性細胞溶解素(Cholesterol dependent cytolysin:CDC)は、グラム陽性細菌によって分泌されるβバレル型膜孔形成毒素のファミリーである。分泌された直後は50-70kDaの水溶性単量体で、標的細胞膜に結合すると40個(またはそれ以上)の単量体で環状ホモオリゴマー複合体を形成する。

複数の構造変化を介して、βバレルの膜貫通構造(直径約250A以上)が形成され、標的細胞膜を貫く。CDCは標的細胞膜への結合に標的細胞膜中のコレステロールを必ずしも要求しないが、膜孔形成に必要とする。例えば、Streptococcus intermediusによって分泌されるインターメディシリン(ILY; TC# 1.C.12.1.5)は、コレステロールの存在とは無関係に、特異的タンパク質受容体のある標的膜にのみ結合するが、膜孔形成にコレステロールを要求する。ただし、CDCがどのようにコレステロールから活性の調節を受けるかは明らかになっていない。

<出典:Wikipedia>

 ● 肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)
 肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)由来のニューモリシンなどのコレストロール依存性細胞溶解素(CDC)は、30-44個の単量体による260 A(26 nm)の大きな膜孔を形成する。ニューモリシンの各単量体のαヘリックス部分は、α溶血素のような方法で膜貫通する両親媒性βヘアピンにコンフォメーション変化する前に巨大な多量体の表在性膜タンパク質複合体に会合する。CDCは細孔形成毒素のMACPFファミリーとホモログであり、両ファミリーの作用メカニズムは同じことが示唆されている。真核生物MACPFタンパク質は免疫防御で機能し、パーフォリンや補体C9などのタンパク質に見出される。

 ● ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)
 ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)由来のパーフリンゴリジンに密接に関連する高度に保存されたコレステロール依存性細胞溶解素のファミリーは、バチルス目細菌によって産生される毒素であり、anthrolysinやalveolysin、sphaericolysinを含む。Sphaericolysinは特定の昆虫に対して毒性を示す。
 ⇒ PFT(膜孔形成毒素)

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